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FLIP ROSEの透水解析機能の説明では、運動方程式と間隙水の収支バランス式を連成させて解くことが可能とされていますが、堤体の築堤湛水解析で、築堤後に定常浸透流解析(ただし、飽和-不飽和)を実施し、求まった水圧分布から、浮力と浸透力を作用させて、湛水後の応力を求め、それを初期応力とするというような解析はできますか?
以下のとおり、可能です。
初期自重解析を2段階で行い、第1段階では、堤体に水圧を作用させずに、初期自重解析を行います。
第2段階で、堤体上流側斜面および湖底面に水圧を水圧境界を設定し、浸潤面、堤体下流側の堤体斜面および地盤表面で適切な水圧境界(水圧ゼロ境界)などをおき、同時に、堤体上流側斜面に水圧に相当する分布力を作用させることにより、定常浸透流解析および初期応力解析を行います。
この解析結果として求まる堤体内での有効応力は、浮力や定常浸透流の影響を受けた値となります。
別途、浮力と浸透力を作用させる必要はありません。
なお、これらの解析では、解析における種々の設定が適切に行われないと、発散(エラーコードA563)などで、解が求まらないことがあります。
その際には、変位(#32),速度(#33),加速度(#34)の各ファイルに発散時のデータが出力されますので、これらを図化するなどにより、解析モデルの設定の不具合を検討することができます。